モノづくり資本主義宣言 ー モノづくりが明日の日本を創る ー
松山隆幸のコラム
コラム詳細
時代をサバイバルする元気なモノづくり中小企業
 今まさに中小企業の自立化が進もうとしている。

 日本経済の閉塞感、停滞感が叫ばれて久しいが、そのような経済情勢の中でも、しっかり地域に根を張り、辛抱強く頑張っている企業は数多くある。その中で、私が注目する3社を取り上げ、その特徴を挙げてみた。

 巷では未だに○○戦略といった戦争用語を用いた書籍が数多く並ぶ中、この企業の経営者はより深く企業の内側に備わる「やる気」「ねばり」といった力に注目し、その力を上手に引き出し、自ら変わる力を持って積極的に新たな仕事を創り出している。


. メッシュ化の海外展開 ~中小企業単独で海外進出~

中小企業のメッシュ化と呼ばれて久しいが、そのメッシュ化が国境を超えて、アジア経済圏へ広がろうとしている。すでに中小企業の中には、日本の大企業や国の援助を受けずに、独自にマーケットを開拓し、海外(特にアジア)の大手企業と取引をするケースが増えている。たとえば、日本機材のタイ工場建設や、江南特殊産業のタタ社との取引きはその良い例である。

国内マーケットが縮小化していく中で、大企業のネットワークを利用することなく生き残りをかけ、自らの力で海外展開していくケースは今後も増えていくであろう。

 

. 商社を通さない直接取引

販売力の弱さが中小企業の悩みというのは、時代遅れになりつつある。

ICT技術の活用により自社ホームページを構築し、ホームページを営業窓口とする企業が増えている。これまで多くの中小企業のホームページが会社案内的な内容にとどまっていたが、最近では自社の技術をより詳しく説明し、バーチャル上の自社製品の展示場として、訪れたお客様との接点を生むような仕掛けが目立つ。直接お客様と接することで、そのニーズを生の声として直に聞き、迅速に対応することが、信用につながり、その循環が新たな顧客との出会い、情報との出会いを生む。また、商社のような代理店を通さないことで、顧客に迅速かつ適正な値段で商品を提供することが可能となる。

 

. 自由な発想と追随を許さない高度な技術

高度な加工技術と専門性を背景に、先入観、固定観念に捕らわれない発想と非常識で挑戦する。「他者の真似できない技術」「他社の真似をしない」という指針を掲げる中小企業も多く、人のやらない新技術開発こそ彼らの生きる証である。それは、無駄な価格競争を排除し、適正な価格で取引できる得意分野へ特化していくことであり、数年単位の時間軸ではなく、5年、10年先の常識をつくる努力である。

 

. ビジョナリー企業

経営環境がある状態を一定に保つことはありえない。今改めて経営環境の変化の中で、その環境に順応させ生き延びていくか、生き延びるだけでなくどのように成長していくかが問われている時代はかつてなかったであろう。しかし、その先行き不透明な時代であっても、その中で元気に活躍する中小企業は数多くある。彼らに共通するものはいったい何か。

私は、彼らの「理念」に対する愚直なまでの姿勢、「理念」を維持し変化と進歩を促す仕組みではないかと思う。しかも、その理念が社員一人ひとりに自然と無理なく徹底されている。

1995年発刊のジェームズ・C・コリンズ氏による『ビジョナリーカンパニー』では、『基本理念は「つくりあげる」ことも「設定する」こともできない。基本理念は見つけ出すしかない。内側を見つめることによって見つけ出す』とある。確かに組織にある内発的な理念を発見し、その理念を維持しながら、徹底して組織に一貫性をもたせている企業は元気に見える。

2010年03月08日
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